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属人化した契約審査・管理体制に終止符 ナレッジ共有で“人に依らない法務”へ転換

属人化した契約審査・管理体制に終止符 ナレッジ共有で“人に依らない法務”へ転換

LegalOn 食料品

理研ビタミン株式会社

法務部 法務知財チーム 主事 山村直紀 様 法務部 法務知財チーム 主務/弁護士 神田竜輔 様

POINT
  • 法務課題:個人メールに審査依頼が集中し、進捗やナレッジが可視化されない状態。同時に判断のばらつきや手作業による案件・契約管理の負荷が発生していた。
  • 導入経緯:LegalForceの操作感を引き継ぎつつ、自社基準での審査、案件受付からレビュー、締結後管理までの一気通貫運用を実現できる点を評価してLegalOnを導入。
  • 導入効果:案件受付フォームにより依頼情報の粒度を統一し、審査の質とスピードを向上。約8000件の契約書管理ではAI・OCRによる自動読み取りで登録負荷と管理精度を改善。
  • 活用事例:マターマネジメントで法務相談・レビュー依頼を一元化。LegalOnテンプレートを基に英文売買契約書など自社ひな形では対応しづらい契約書を作成。

天然成分の有効利用技術を核に、食品から化学分野まで多角的に事業を展開する理研ビタミン株式会社。契約審査の管理業務に課題を抱えていた同社は、2024年1月にAIレビューサービス「LegalForce」を導入。その後、2026年1月に法務AI「LegalOn」へ切り替え、現在は「マターマネジメント」「レビュー」「LegalOnテンプレート」「コントラクトマネジメント」「ユニバーサルアシスト」の各モジュールを利用しています。法務部の山村直紀様と神田竜輔様に、「LegalOn」導入の背景や具体的な活用方法、導入効果などについて伺いました。

専任者2名で月120件の契約審査依頼に対応

(写真左から)神田様、山村様

御社の事業内容について教えてください。

山村様 当社は理化学研究所のビタミンA研究をルーツに、1949年に設立された食品・化成品・ヘルスケアメーカーです。天然素材の抽出・精製技術を強みに、食品・改良剤・ヘルスケアの3事業を展開しています。2026年に「ふえるわかめちゃん」が発売50周年、「リケンのわかめスープ」が45周年を迎えるなど、長年多くのお客様にご愛顧いただいています。

法務の組織体制や業務内容について教えてください。

山村様 法務部内の法務知財チームには現在8名が在籍しており、そのうち専任者2名を含む3名で法務業務を担当しています。主な業務は契約書レビューや締結後の契約管理、法務相談対応などです。

神田様 近年は、小売店との取引における陳列支援などの業務分担について、慣習的に行われてきた点を整理、明確に契約に反映したいという相談や、法改正を踏まえた既存契約の見直し依頼が増えています。

商事法務やコンプライアンス関連は別部署の管轄ですが、事業環境の変化に対応しながら、現場に即した法的支援を行う重要性が一層高まっていると感じます。

取り扱う契約の種類や審査件数を教えてください。

神田様 月間の審査件数は約120件です。取引基本契約や秘密保持契約(NDA)が中心ですが、製造委託契約や共同開発に関する契約も扱います。特に委託取引では論点が複雑で、近年は「中小受託取引適正化法(取適法)」への対応が求められる場面が増えています。

法務を専任で担当されるお二人のキャリアについて教えてください。

山村様 私は中途入社して15年目になります。前職は司法書士事務所に約4年勤務しており、法務キャリアは通算20年ほどです。入社以来、一貫して当社の法務実務に携わってきました。

神田様 2024年4月に入社し、もうすぐ3年目に差しかかるところです。弁護士資格を取得し、法律事務所とスタートアップ勤務を経て当社に参画しました。企業法務のキャリアは通算5年ほどで、契約審査を中心に実務経験を積んできました。

属人化とアナログ管理の限界で「LegalOn」を導入

「LegalForce」導入前は、どのような課題がありましたか。

山村様 以前は部長の個人メールに届く審査依頼を、手作業で各担当者に割り振っていました。そのため、部長への負荷が大きいことに加え、部長以外のメンバーに進捗状況が可視化されていない点が大きな課題でした。ナレッジの共有も十分ではなく、判断のばらつきや過去事例の検索に時間がかかるといった問題もありました。

さらに、案件管理は依頼メールをファイル化し、管理システムへ手入力で登録するというアナログな運用でした。依頼日や修正履歴などの情報整理に手間がかかり、過去の経緯を追うのにも苦労していました。

契約レビューについて課題はありましたか。

山村様 レビューはWordの校閲機能を使っての目視による対応が中心で、審査基準も個人の裁量に依存していました。自社としての判断基準が十分に体系化されておらず、契約内容の比較・検証も限定的でした。体制拡大とともに品質維持が難しくなり、案件増加により部長へ依頼が集中し、見落としリスクも顕在化していました。

当時の契約審査のフローについて教えてください。

山村様 先ほど述べた通り、まず、すべての審査依頼が部長の個人メールに集約され、部長が内容を確認して各担当者に案件を振り分けます。そして担当者がそれぞれレビューを行った後、再び部長がチェックし、依頼部署へ回答を戻す流れです。

契約締結は依頼部署が行いますが、締結後の契約書管理はLegalOn導入以前から法務部で一元化しています。本社の紙原本は法務部で保管し、各拠点の契約書はPDFで収集することで、全社の契約を集約していました。

2026年1月に「LegalOn」を導入されました。他社製品もある中で、「LegalOn」を選んだ決め手は何でしたか。

山村様 複数のサービスを比較しましたが、「LegalForce」の操作感を引き継ぎつつ、自社基準での審査も機能として搭載している点が決め手でした。他社ツールのレビュー機能は差分比較を中心とした設計のものが多く、当社が重視していた自社基準での審査を実現するためには追加の設定や運用の大幅な見直しが必要だったのです。当社の業務サイクルに最も適していたのが「LegalOn」でした。

神田様 少人数体制の中で、契約書の登録・管理を自動化できる点が魅力でした。開発のスピード感も信頼に繋がりました。以前は審査業務と案件・契約書管理が分断され、手動での連携作業が必要でしたが、「LegalOn」であれば案件受付からレビュー、締結後の契約書管理まで一気通貫で完結できます。重複作業を排除できる点に大きな価値を感じました。

案件受付をフォーム化し、審査の質とスピードを両立

「LegalOn」導入後の変化について伺います。まず案件受付はどのように変わりましたか。

神田様 「マターマネジメント」の導入により、事業部からの法務相談やレビュー依頼を「案件受付フォーム」に一元化しました。これにより、審査に必要な情報が初めから漏れなく揃うようになりました。従来もレビュー依頼用のテンプレートは用意していましたが、フォーム化したことで入力精度が大きく向上しました。

現在はレビュー依頼、法務相談、電子契約の実行依頼など、用途別に複数のフォームを運用しています。依頼側からも「何を書けばよいか明確で依頼しやすい」と好評です。

山村様 メールでの依頼は情報の粒度がバラバラで、内容把握に時間がかかりました。現在は項目が統一されているため、必要な情報を一目で確認できます。

以前は背景が分からないまま契約書だけが送られてくることもあり、経緯の確認に手間がかかっていましたが、今は初動で必要情報が揃います。審査の質とスピードの両方が向上しました。LegalOn導入前後の契約業務フローの変化

「レビュー」機能の使い勝手はいかがでしょうか。

山村様 LegalForceと比較して操作性が格段に向上しました。チェック項目をクリックすると該当条文へ遷移するなど、直感的に使える点が優れています。

他に、「プレイブック」機能は自社基準に基づいてリスクの有無や修正の要否を具体的に示してくれるため、重宝しています。また、法改正で自社基準の変更が必要になった際などにも、基準を簡単に反映・更新できて便利です。

「LegalOn」の「プレイブック」機能。自社で定めた審査基準(プレイブック)をもとに、AIがリスク箇所を即座に特定。条文ごとにリスクを検知し、重要度や妥協案・推奨条文まで提示できます。(※ 画像はイメージです)

法務キャリアが豊富なお二人にとって、「レビュー」機能はどのような点で有用でしょうか。

神田様 LegalOnへの移行を機に本格的に「レビュー」を使い始めたのですが、審査の支援ツールとしてよりも、社内ナレッジを共有するための仕組みとして活用しています。

特に自社固有の観点について、これまでは担当者ごとに審査における判断が分かれることもありましたが、自社基準をチェックリストとして整理することで、判断の根拠を明確にし、対応のばらつきを抑えられるようになりました。個々の経験に依存するのではなく、組織として審査品質を標準化できる点、ナレッジを蓄積・共有できる点に価値を感じています。

8000件の契約書管理を自動化してナレッジを共有

契約書管理の面ではどのようなメリットを感じますか。

山村様 現在、有効な契約約8000件を対象に「コントラクトマネジメント」への移行を進めています。従来のシステムは保管が中心では社名や契約日、契約期間などをすべて手入力する手間がありました。

現在はAIやOCRによる自動読み取りが可能となり、保存場所を指定するだけで登録が完了します。ほとんど手をかけずに正確なデータベースが構築できる点は、大きなメリットです。

神田様 以前は期限管理もマニュアル作業で全契約書を管理することが難しく、重要度の高い契約に絞って対応せざるを得ませんでした。そのため、契約期間が終了済みの契約が契約中のステータスのままリストに残ってしまうこともありました。

現在は「LegalOn」上で読み取り項目を柔軟に設定できるため、これまで入力負担から諦めていた情報も自動でデータ化できるようになりました。管理の精度と網羅性が大きく向上したと感じています。

2000点を超えるひな形が利用できる「LegalOnテンプレート」はどう活用されていますか。

山村様 以前は外部資料をもとにひな形を作成していましたが、現在は新たな契約書が必要な場合、まず「LegalOnテンプレート」を確認し、それをベースに作成しています。自社ひな形では対応できない特殊な契約にも対応しやすく、非常に便利です。現在も英文の売買契約書を、「LegalOnテンプレート」のひな形を基にカスタマイズして作成しているところです。

「ユニバーサルアシスト」は多言語翻訳や英文契約書のレビューにも使えるモジュールです。どのように活用されているでしょうか。

神田様 海外契約書の管理強化を進めており、現在は英語や中国語の原本を「LegalOn」へ集約しています。これまでは外部の翻訳ツールで内容を把握するにとどまっていましたが、今後は「ユニバーサルアシスト」を活用し、グループ会社のレビューや管理も当社に集約していく方針です。

その他、活用している機能はありますか。

山村様 「比較」機能を頻繁に活用しています。取引先が修正した箇所の履歴を残していない場合でも、変更点を即座に把握できます。また、「修正した」という申告内容の検証にも有効です。バージョン間の比較だけでなく、最終版と締結版の差異確認にも欠かせません。

AIによる効率化で事業を推進する「次の一手」を

法務組織としての今後のビジョンを教えてください。

山村様 2026年4月の組織変更により法務機能の集約が進むため、契約案件を効率的に管理する重要性はさらに高まります。

「LegalOn」を活用してリソースを最適化し、今後は書面チェックにとどまらない高度な法務機能を発揮していきたいと考えています。例えば、取適法への対応指針を発信するなど、単なるリスク指摘にとどまらず、事業推進の方向性まで示せる組織を目指します。

神田様 メーカーの法務として、規制が厳格化する中でも実務に即した「次の一手」を提案する力が求められています。そのためには、契約処理に追われる時間を減らし、戦略的な業務に充てる時間を確保しなければなりません。今後もAIを活用して定型業務を効率化し、事業成長に貢献できる法務体制を構築していきます。

「LegalOn」をどのような企業にすすめたいですか。

山村様 依頼受付からレビュー、締結後の管理まで一元化された仕組みがない企業には、特におすすめしたいです。個人のメールや手作業に依存している現場ほど、リスク管理や業務負担の削減、情報の可視化といった効果を実感しやすいはずです。「人が担うべきでない作業」をシステムに任せることで、本来注力すべき法務実務に専念できる環境が整います。

神田様 人的リソースに課題を感じている企業にこそ導入価値があります。人員の増加を検討する前に、現在体制にシステムを組み合わせることで、どこまで業務を拡張できるかを見極めると良いと思います。

その過程で、本当に増員が必要な領域も明確になります。人手不足のときこそ、まずは仕組みを整え、人とAIの相乗効果を試してみる価値があるでしょう。

(取材日:2026年3月)※掲載内容は取材当時のものです。

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